海外の認知症施策紹介

文/臨床心理士 太田一実

オランダには、認知症の方々が生活をするための「村があるのをご存じでしょうか。

認知症の村「ホグウェイ」には居住棟が23棟あり、約150の認知症の人々が生活をしています。居住棟は、高級スタイル、家庭的なスタイル、クリスチャンスタイル、インドネシアスタイルなど7つのスタイルに分かれています。それぞれのスタイルに合わせて建物の内装や提供される食事、アクティビティなどが異なっており、入居者は好みの居住環境を選ぶことができます。

居住棟に囲まれた中庭には、ベンチや噴水のある池や花壇などがあり、とても穏やかな雰囲気です。認知症について教育を受けたスタッフが「村人」として24時間体制で滞在しており、料理やアクティビティの計画、入浴介助、そして服薬介助などあらゆるケアやサービスが提供できる環境が整っています。また、スーパーやカフェで働く人々も介護スタッフですので、入居者が外出したり、買い物をしたり、レストランやカフェを利用する際にはサポートしてくれますし、居住者が道に迷ったり困ったことがあれば、スタッフがすぐに駆けつけます。

ホグウェイは、そこで暮らす認知症の方々が、可能な限りこれまでと変わらない、これまでの生活の延長線上で過ごせるように設計されています。ひとつの居住棟には6~8名の認知症の人が暮らしており、入居者はスタッフと一緒に料理や掃除といった家事を分担して行います。また、友人を訪問する、床屋に立ち寄るなど、安全の範囲内で自由に外出することが可能です。

ドイツやスイスでも、ホグウェイのような認知症の村をモデルとした、独自の認知症ケアの在り方が検討されています。

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臨床心理士/太田一実 Kazumi oota

臨床心理士